2013年3月
発達
 3歳児の心を育てる

●共感し合う大切さ
3歳児になって、跳んだりはねたり、三輪車をこいだりと複雑な運動ができるようになると、行動範囲も広くなります。そうすると今までのように、一切が保護されていた従の関係から友だちと遊ぶ楽しさを求めて外へ出たがります。外へ向かって動きだそうとすることは独立心の芽生えとも言え、保護者
にとって上手く子離れするための第一歩になるでしょう。
子どもは家の中で育てるばかりでなく、社会の一員として社会の中で育てることも大切です。公園などで子どもを遊ばせている保護者を見かけますが、ただつれて来て子ども同士で遊ばせているだけではなく、保護者の皆さんも共に子ども達の遊びを盛り上がらせ、子ども達に「ああ、おもしろかった。楽しかった。うれしかった」という気持ちを持たせて終わるようにしたいものです。保護者が一緒に遊んでくれたことが子どもに良い後味を持たせて、次の遊びへの繋がりになります。
こうした共感し合うということは、日常生活の中においてもとても大切です。自然にふれた時、子どもは素晴らしい発見や驚きを見せてくれます。そんな時、保護者も共に感動する心を持ち、一緒に「きれいね」「すごいね」「不思議だね」などと、言葉をかけながら気持ちを共感し合っていきましょう。

●上手な親子分離を
保護者と子どもの分離が上手くいっていると、社会性はスムーズに広がっていきます。干渉しすぎたり過保護すぎると、自立できにくい子どもになってしまいがちです。登校拒否や無気力、社会的不適応なども、その多くは親子分離が上手くいかなった過去があるようです。
3歳児は友だちと遊ぶ楽しさを実感しながら、まだまだ自己中心的なため遊びの中でぶつかりやトラブルが絶えません。そんな時、子どもは保護者の元に飛び込んできます。保護者は子どもにとって心の基地なのですから、十分に子どもを受け入れてあげましょう。愛情と安定感が土台となってこそ、自立していく心が育ちます。そして、躾は子どもとの間に信頼感が成立してこそ、上手くいくものです。子どものできやすいことからはじめて、「できたね、えらかったね」と認め、ほめ言葉をかけてあげましょう。
急がず、あせらず、せかさず、時には待つことも大切です。

隨林寺保育園 園長 戸津川聖信

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