2013年1月
反抗期
 反抗期のない子ども

●反抗期は心の成長期
子どもが成長していくと、言葉が少しずつ話せるようになり言葉による意思表示をしたり、身の回りのことを自分でしようとする意欲がわいてきます。しかし、まだ言葉や意思表示、技能などが未熟であるため、大人に通じなかったり、自分の思い通りにできない、いらだちや不安から、必要以上にわがままを言ってみたり、反抗したりしてしまいます。また、自分の要求することがはっきりと意識されてくると、自己主張も強まってきます。子どもが自立しようとして反抗しだす時期=反抗期です。
親の言うことを聞かず反抗ばかりする時期ととらえるか、自立する力をどうコントロールするかを学ぶ時期ととらえるかで子どもに対する態度が変わってくるでしょう。反抗期は子どもの成長期と思い、上手に対応していって欲しいと思います。

●反抗期のない子ども
最近、「反抗期のない子ども」=「大人にとってのいい子」が増えています。それは、保護者が子どもが自立しようとする機会を奪ってしまっている、つまり、子どもが要求していることを、子どもが言葉で伝えようとしたり行動したりする前に、まわりの大人が推測して先にしてしまうため、子どもが自己主張できなくなったり、自分の要求がわからなくなり大人の気に入るように大人の要求に合わせて行動してしまうようになるためです。
多少時間がかかっても、子どもが今、何をしようとしているのか、何を伝えようとしているのを、いらいらせずにじっくりと「待って」「見守って」あげることが必要です。この時期にしっかりと自我が育つと、将来、何か苦難が起こっても、自ら立ち向かえる原動力となり、培われた意欲は学習意欲にも通じる大切なものとなります。
大人の言うままに動いてくれる、大人にとって都合がいい、見せかけの「いい子」をつくらないためには、のびのびと自己主張できる家庭環境づくりが大切なのではないでしょうか。

衣笠保育園 園長 杉本五十洋

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