2012年5月
ふれあい
 「におい」が判る先生

ある日、名前の書いていない子どもの服が忘れられていました。
そして、職員室に持ち込まれて、先生達に見覚えがないか尋ねられました。
一人の先生が「見覚えがある。○○くんのじゃないかな?」
すると、もう一人の先生が「においは?」と言って、においを嗅ぎはじめました。
私は、においで誰のものか判るはずはないと思いましたが、
「○○ちゃんのものだ!」
他の先生達もにおいを嗅ぎ、「そうだ、このにおいは○○ちゃんだ!」と納得していました。
私も嗅いでみましたが、全くわかりませんでした。

今になって考えると、子どものにおいが判るということは、それだけ一人ひとりを大切にしている証拠だと思います。
先生達は子どもと向き合った時、その子のことを真剣に考え、時には抱きしめ、もっとこの子のことを知りたいとの思いを強く持っていたのではないでしょうか。
「子どものにおいが判るなんて、一人ひとりの子どものことがよく判っている証拠ですね」と言うと、私に一人の先生が自信を持って言いました。
「もちろんです!」


柊野保育園 園長 大野緑朗

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