2012年1月
着脱
 子どもの衣服選び

●「どうして!」から「なぜだろう」に
大人からすると、「このくらいのこと、もう少し早くできないかしら」と、少々まどろっこしく思える子どもの着替え。忙しい保護者の方には、忍耐の時間とも言えますね。けれど、その原因は子どもだけにあるのでしょうか。
当園では、そういう時に「どうして!」と責めるのではなく、「なぜだろう」と考えるようにしています。せき立てる叱り方はその場限りに有効であって、プラスの考えや感じ方を子どもの心に残すことはできないからです。
さあ、では子ども達は与えられた衣服やその着脱に関してどのように感じているのでしょうか。その思いに近づくために、思い切って子ども自身に変身してみましょう。

●発達に応じた衣服選びを
「この服好きだよ。でも、3歳の僕にはこのボタンは堅いし、小さすぎる。おまけにたくさんあって・・・。もう少し指が動いたらなぁ」
「上の方のボタンって苦手。だって見えないもん。それに苦しいからあまり着たくないんだけど、お母さんのお気に入りだから・・・」
「つりズボンの上にボタン付きセーターを2枚!急にウンチがしたくなった時は、もう汗かいちゃったよ」などなど。
こんな風に自分自身が子どもに変身することで、日頃はなかなか聞こえてこない子どもの主張もはっきり浮かんでくることでしょう。
乳幼児の衣服選びは、ほとんどお母様の手の中にあります。だからこそ、子どもの心の声をよく聞いてあげて欲しいのです。決して、お母様だけの好みで子どもに負担をかけないようにしましょう。
発達に応じた衣服選びに留意し、その時々の達成感に互いが微笑み合えるよう心がけていきたいですね。



広野保育所 園長 吉村 治

  戻る