●周囲の人間関係が子どもの言葉に影響を与える
最近、考えて物を言う、理解して話しをする、ということが苦手な子どもが増えてきていると言われています。言葉の基礎は生後24ヶ月頃までに養われます。保護者とのスキンシップにより、肌のぬくもりや柔らかさ、なめらかさをしっかり覚え、良好な人間関係の中で情緒が育ち、言葉の発達に大きな影響を与えます。
手と手のふれあいから、全身のコミュニケーションの中で、見る、聞く、匂いをかぐ、味わう、触れるといった感覚から育まれていきます。
赤ちゃんは言葉を話せなくても、大人からの話しかけや笑顔に応じたり、周りを見たり、おもちゃを触るなどして、たくさんの事を学習していきます。人間関係が豊富であるお子さんほど、言葉に良い影響が見られます。全身で十分な愛情を受けたお子さんは、2歳頃から自己表現としての言葉が、身振り手振りと共に活発になります。
最近はテレビっ子が多いですが、テレビは受け身であって、たくさんの情報は入りますが、キャッチボール的な言葉のやりとりがないため、コミュニケーションのために使う言葉が育ちにくくなります。そうすると、自分の事は話せても、他人の話を聞く耳がお留守になってしまいます。
●発達と言葉
2歳くらいになると、「何?」の疑問が多くなり、3歳くらいまでに「どこ?」「誰が?」という質問が増え、納得するまで何度も繰り返し尋ねます。尋ねた事にどんな返事が返ってくるのか強い関心を持っています。「うるさいわね」などと撥ねつけず、子どもの質問に答えてあげましょう。
4〜5歳くらいになると汚い言葉をわざとしゃべったりしますが、これは友達と同じ言葉を使うことでみんなと一緒という気持ちを持つようです。子ども達にとっては、変わった言葉は大きな発見です。叱る前に子どもの発見を認め、子どもなりに言葉遊びをしているのだと受け止め、折を見て正しい言葉遣いを少しずつ教えていきましょう。
「聞いてもらえる」という、安心して話せる関係をつくってあげ、幼児期の間にわずかな時間でも、子どもとの対話を多く持つように心がけましょう。
|