2011年9月
ふれあい
 言葉の遅い子

●言葉が出だした時の関わり方
『友達の子どもは1歳半過ぎて、「パパ」「ママ」「アンパンマン」などの言葉をはっきり話していますが、うちの子どもはもうじき2歳になるのに「アーアー」「ウーウー」などの言葉しか言えないのです。
遅れているでしょうか?』
と心配されているお母様に時々出会います。赤ちゃんは10か月頃から周囲の人達の声をまねして、発音しやすい「マンマ」「ブーブー」「ワンワン」などの声を出すようになりますね。そして、まわりの大人達の働きかけによって「マンマ」は食べ物、「ブーブー」は車、「ワンワン」は犬、と結びつけて言葉の意味を覚えていきます。赤ちゃんの時は、大人の言葉に対して声のする方を向いたり、表情を見たりして反応しますが、1歳半頃になると子どもの方から「これはこれは」とよく聞いてくるようになります。そんな時、お母様が「つい忙しくて話しの相手をする暇もない」と放っておくと赤信号ですね。

●話したい意欲を育む
お子様の質問には、丁寧に答えてあげるようにしましょう。
日常の生活場面を通して「おはよう」「いただきます」「ありがとう」などのあいさつの言葉や、「パパ」「ママ」「リンゴ」「ミカン」「ボール」など、子どもは身近に接する人や物の名前から覚えていきます。子どもと一緒に絵本を読んだり、歌をうたったりお母様とふれあう中で十分言葉かけをしてくださいね。
お母様は正しい発音ではっきりした言葉を使うように心がけましょう。赤ちゃん言葉は禁物です。
子どもが何か訴えようとしている時、お母さんが言葉を先取りして言ってしまわないで待ってあげることも大切ですね。そして、子どもの自己主張をしっかり受け止めて話そうとする意欲をもたせるようしてください。
言葉の早い遅いには個人差があり、家庭環境によっても違います。家族で協力してもらって正しい言葉かけをするようにしましょう。
なんと言ってもお母様の優しい微笑みと愛情豊かな心で、ゆったりと関わってあげることが一番大切ですね。


衣笠保育園 園長 杉本五十洋

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