2011年5月
心の発達
 子どものプライド

●お子さんのプライドを傷つけていませんか?
「子どもにもプライドってあるのかな?」と思われるでしょうが、もちろんあります。
プライドは、成長していく過程で自分自身を支え保っていくために、絶対に欠かせないものです。「甘えっ子で私から離れない。自立できるか心配」と、お母さんを悩ませるようなお子さんでも、その子なりのプライドがあります。何から何までお母さんにしてもらっていた時期を過ぎると、今度は何でも自分でやりたいと思いはじめます。
今まで着替えやトイレなど、お母さんに手伝ってもらっていたお子さんが、一人でやり遂げることができ、大きな声で「できたよ」と誇らしく得意顔になった時、ほめてあげるともっとうれしそうな顔をします。この時、お母さんが子どもの成長を感じるように、お子さんは自分自身でやることに意味があると感じているのです。このようにして、いい意味のプライドが育っていくのです。
しかし、ひとつのことをするのにとても時間がかかるため、イライラして、ついお母さんがやってしまうことはありませんか? その時、お子さんはとても怒りますよね。それは、お子さんのプライドを傷つけているからなのです。

●いいプライドを育てる
プライドをうまく成長させるには、お母さんはいつもどっしり構えていて、お子さんが助けを求めるまで待ってあげましょう。ちょっと難しい目標を用意して、できたら「すごいね」と、たくさんほめてあげ、「できてうれしい」という誇らしい気持ちをたっぷり感じさせてあげましょう。
例えば、ご飯の時など、お皿をテーブルに運んだり、洗い物のお手伝いをしてもらうといいでしょう。落として割ってしまうアクシデントはつきものですが、そこで「ほらよけいなことをして」と言っては、お子さんのやろうという気持ちをペシャンコにしてしまいます。危ないなと思ったら、落としても割れないものなどを渡して、うまくできたらたくさんほめてあげましょう。
お母さんのほめ言葉に励まされて、色々なことにチャレンジしていくことでしょう。お母さんは、一人で頑張っているお子さんの姿を見守ってあげてください。

永興保育園 園長 後藤良博

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