2010年10月
いらずら
 いたずらは創造性の芽生え

●子どもの創造性を「いたずら」ですまさないで
子どもの心に小さく芽生えはじめた創造性。しかしその芽をいたずらだと思い込み、「こんなことを、してはだめ」などという言葉
で摘み取っていませんか。
例えば、綺麗に咲いている花をちぎっている女の子がいます。その子に「お花はちぎってはいけません」と注意するのは簡単です。しかし、本当にそれでよいのでしょうか。その子はお花をちぎることはいけない事だとわかっているかもしれません。そこで少しその子の心の中を覗いてみましょう。
「あのね、うさぎさんのご飯作っているの。葉っぱでお花を包んで、のり巻きにするの」と、うさぎのエサが少しでもおいしくなるように工夫していたのです。先に注意して上から押さえつけてしまっては、伸びはじめた心の芽もそこで止まってしまうおそれがあります。
また、別の男の子が水たまりに入って遊んでいます。その子の心の声に耳を傾けると、「水たまりに映ったものが、どう変わるのか見たかったの」と聞こえます。
このように、ちょっとしたいたずらの裏には、考え思い悩んだり、不思議に思ったりした子どもの心が見え隠れしています。少し立ち止まって見守る余裕を持ってください。そうすると、心の声が聞こえてくるかもしれません。

●子どもの創造性を育てる
子ども達は、好奇心いっぱいの目で、「先生、これ何?」「どうなっているの?」と、毎日のように質問を投げかけてきます。このような質問に、ただ事実や科学的な理論に基づいた答えを返すだけで、子どもの創造性は磨かれるでしょうか?
時には、「何かな?」「どうなっていると思う?」と質問を投げ返したり、共に悩み考え、想像することも大切です。
子どもの好奇心から芽生えた創造性。その芽を見守り、大きく育てていきたいですね。

広野保育所 園長 吉村 治

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