2010年2月
食事
 0歳児の食生活

●「自分で食べたい」という意欲を大切に
赤ちゃんの食事の時、「早くスプーン、早くフォークで食べて欲しい」と思うかもしれませんが、あせることはありません。それよりも大切なことは、「手づかみ」で食べることです。「手づかみは行儀が悪い、汚い」と思わずに、赤ちゃんが手を出してきたら、手づかみ食べをさせてあげてください。
赤ちゃんは、今までミルクや離乳食を 食べさせてもらってきています。急に一人で食べられるようにはなりません。まず、「自分で食べたい」という気持ちが芽生えることが大切なのです。「あれが食べたい」「これは何かな?」と思うものを自分で選び、手を出して掴んで口に運ぶことを繰り返しているうちに、食べる意欲が育ってきます。そして、色々な触感を経験し、様々な形のものを上手く掴んで口に運ぶ練習を積み重ねることが、スプーンやフォークを上手に使うための基礎となっていきます。

●「手づかみ食べ」と「遊び」の判断を
手づかみ食べの問題点は、食べこぼしが多くなり、手や服、床などが汚れることです。ついつい気になって、食べこぼすたびに拾ったり、口のまわりを拭いたり、「こぼさないで」と注意していると、赤ちゃんは気になって「自分でやりたい」という気持ちがなくなってしまうおそれがあります。「汚れてもいいや」と大らかな気持ちで見守り、後で片づけるようにしましょう。
しかし、食べ物をグチャグチャとこねたり、わざと下に落とすなどして遊びだしたら、食事を終わりにしましょう。「まだ残っているから、全部食べさせよう」「まだ食べるかもしれない」などと、ずるずると食事を続けていると、「食べたい時に食べればいいんだ」と感じ、食事と遊びのけじめがつきません。赤ちゃんの様子をよく見て、食べようとしているのか、遊んでいるのかを判断し、赤ちゃんのやる気を育てていきましょう。

永興保育園 園長 後藤良博

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