2010年1月
子育ての考え方
 一人ひとりの個性を大切に

●圧倒される子ども達のエネルギー
明けましておめでとうございます。
保育園の園長として、毎日大勢のお子さん達に囲まれて生活していますと、一人ひとりの顔や姿が違うのと同時に、実に様々な個性に出会うことができ、とても楽しいです。と同時に、子どもなりに「大きくなろう」「伸びよう」とするエネルギーを持っていて圧倒されます。
それぞれのお子さんの育ち方を見ますと、生育が早い、ゆっくり…など、その成長は複雑で、ほかのお子さんと比較のしようがなく、どの子も独自の成長の特徴があり、変化にとんでいます。
成長の早さに多少の違いはあっても、どのお子さんも育つ道筋は同じであり、どの子にも「成長しよう」「大きくなりたい」という力と願いが必ずあります。この力と願いがあるからこそ、子どもは転んでも立ち上がり、ついには歩くことを獲得し、「ブーブ」「マンマ」から「お父さん」「お母さん」と、はっきりした言葉を話すことができるようになるのです。

●子どもの能力を引き出す子育て
子育てに心配や悩みはつきまとうと思いますが、何より大切なことは、どのお子さんもが持っている「大きくなりたい」という力と願いを信じ、見守り、引き出し、援助してあげることではないでしょうか。これらのことは、決して難しいことではありません。毎日の生活の中の心配りひとつで自然にできることです。
まず、第一に「健康に育てる」ことです。
病弱ではお子さんが本来持っている「大きくなりたい」という力を十分に発揮することができません。ごく当たり前のことのようですが、「寝る」「食べる」「遊ぶ」といった生活を、規則正しく行うことが大切です。
第二に、「子どもの心をよく知ること」です。
今何をやりたいのか、どうして欲しいのか、何を考えているのか、何につまづいているのかなど、子どもの表情、動作、話し方から読みとることです。親の都合や思いだけを一方的に押しつけないようにしましょう。
第三は、「子どもを多面的に、気長に見ること」です。
一人ひとり、個性や成長が違います。得手、不得手があります。乳幼児は、繰り返し経験することによって物事を覚えていくものです。その経験が楽しいものであれば、次への挑戦意欲、やる気も育ちます。気長に待ち、見守ることは、子どもの心を育てるための大切な栄養素です。
さあ、お母さん!
お母さんの愛情と適切な子育ての栄養をお子さんにいっぱい降り注ぎ、楽しく子育ていたしましょう。

あけぼの保育園 園長 矢島里美

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