2008年8月
食事
 かみかみゴックン(かまない子・かめない子)

最近かまない子・かめない子が増えていると言われています。私どもの保育園でもかめないわけではないのに何でもかまずにゴックンと飲み込んでしまうお子さんや、いつまでも口の中でチュチュすっていてゴックンできないお子さんを見かけます。どちらの場合もお母さんにとってはご心配のことでしょう。どうしてそんなお子さんが増えているのか、かむことがなぜ大切なのか少し考えてみましょう。

まず第一に、かむことによって消化を助けるという働きがあります。また、かめば唾液の分泌も増えて、食べ物の味もよくわかるようになり、食べるということが楽しくなります。
堅い食品や繊維質の食品をかむことは、口の中の衛生にも役立っていますし、心の安定にも影響しています。
さらにかむことは、脳を刺激して、脳の働きを活発にするとも言われています。また、あごの発達をも促すそうです。
こうしてみますと、お子さんの成長にとって、身体的にも情緒的にも、かむということがどんなに大切なことかおわかりいただけると思います。

それでは、かむという能力はどのようにして育ち、どんな点に注意をしていけばよいのでしょうか。
それは、お子さんが離乳食などを食べるという経験を通して発達していく能力です。ですからまず、かむ力の土台をつくる離乳食をお子さんの成長に合わせながら、段階的にあせらず確実に進めていってあげることが何よりも大切なこととなります。
口を閉じてゴックンと飲み込む離乳初期の5〜6カ月頃、舌でつぶして食べる中期の7〜8カ月頃、歯茎でつぶして食べる後期の9〜11カ月頃、前歯でかみとり歯茎でつぶして食べる完了期の12カ月、今一度点検してみましょう。
今からでも遅くはありません。うまくかめないようだと気がつかれたら、少し前の年齢に戻してあげると上手くいくことも多いです。
かむ力は、毎日の食生活で身につきます。 そして何よりも大切なことは、お母さんにとって食事が楽しいことです。お母さんが楽しければ、その気持ちは必ずお子さんに伝わっていくでしょう。
さあ、お子さんと一緒に「かみかみゴックン」食事を楽しみましょう。

あけぼの保育園 園長 矢島里美

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