2008年2月
子どもの心
 子どもの意欲を育てる

●意思を持たない子どもが増えている
最近、自分の意思を持って何かをしようとする子どもが減り、保護者にしてもらうのを待っている子が増えています。これには3つの理由が考えられ、1つは、できる能力があるのに過保護に育てられたために大人に助けを求めるタイプ。2つめは、やり方がわからず、やってもらおうとするタイプ。3つめは、自分に自信のないタイプです。どのタイプのお子さんも、まわりの大人の関わり方次第で、「自分でやりたい」「何でも挑戦したい!」「知りたい!」と、前向きに取り組むことの楽しさを知り、学びに対する意欲を発揮できるようになります。

●子どものやりたい気持ちを尊重する
子どもは失敗を繰り返しながらたくさんのことを学び、新しい発見を身につけていきます。失敗をおそれ、経験が不足すると、自信がなく消極的になってしまいます。例えば着替えの時など、ボタンをはめるのに手間取っているお子さんに、皆さんはどういう言葉をかけますか?「早くしなさい」「違うでしょ。こうするのよ」「お母さんがやってあげる」・・・など、ついついこのような言葉をかけていませんか?時間がなくてあせる気持ちはわかりますが、お子さんの「自分でやる!」という気持ちを尊重し、少しくらいボタンをかけ違えていても「よくできたね!」とほめてあげることが大切です。自分のしたことが認められることで、お子さんは気持ちよく何度も挑戦し、回を重ねるごとに上手くできるようになり、次のステップへとつながっていくのです。

●子どもを認めてほめてあげる
親の言う通りに行動するお子さんは、保護者からすると育てやすい「良い子ども」でしょう。けれど、そこにお子さんの意思がなければ、成長するに従い思考力を失い、何をやっても楽しくなく、常に誰かに依存してしまうようになってしまいます。失敗や、できないことを指摘するのでなく、取り組もうとする気持ちや、自分で考えた素晴らしさ、子どもなりに成し遂げたところを見つけて、認めてほめてあげましょう。どんな子どもも持っている秘めた力を発揮できるように、保護者はお子さんを信じて少し離れた場所から、自立心が育つように温かく見守ってあげてください。

端山保育園 園長 山内五百子

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